第一章 「道」ってどうしてできたと思う?

今日は、古くからある歴史の「道」について学ぼう

歴史の道って、わたしたちが歩く道とは違うの?

もっともっと昔の道のことだよ。道と歴史はとても関係が深いんだ

それじゃあ、道のことが分かると歴史も分かるんだね!

私たちのくらしには、道が欠かせません。
学校に行く時も、公園で遊ぶ時も、買い物をする時も、私たちはかならず道を通ります。
お店に商品を届けるトラックも、病人を運ぶ救急車も、バスもオートバイも道を通ります。
でも、この教材で取り上げるのは、トラックもバスも自転車も走っていなかった時代から、おおぜいの人々が通行してきた「道」のおはなしです。

 

「道」から道路へ

 

ずっと昔のことです。日本で天皇を中心とする国がはじめて作られた時代に、「道」が整備されました。国が計画を立てて、都と地方を結ぶために長い時間をかけて建設した道路です。この道路は、古代道路と呼ばれます。
 
古代の「道」は、都を中心に計画されました。都は天皇が暮らして政治を行う場所です。「道」は都から地方に向かって放射状に延びていました。
 
武士の時代になると、幕府が置かれた場所を中心に「道」が作られるようになります。鎌倉時代は、幕府が置かれた鎌倉を中心として「道」が作られました。
 
戦国時代には、戦国領主たちがさまざまな「道」を建設しました。武士の軍団が高速で移動するための「道」が、戦いのために必要だったからです。
 
そして江戸時代になると、江戸を中心として全国に「道」が作られます。
時代が移り、国や政府が変わっても、「道」を計画して建設することは、もっとも重要な政策のひとつでした。
 
この教材では、古代から江戸時代までに計画的に作られた道路を「道」と呼びます。
歴史の中でさまざまな役割を果たして来た「道」。
移り行く時代の中でいろいろな姿を見せる「道」。
時の流れの中で消えてしまった「道」もあれば、時代を超えて受け継がれてきた「道」もあります。
 
そんな「道」の世界を、いっしょに楽しみましょう。